・「ごめんなさい」が溝を深める!?
一度は生涯を添い遂げると誓い合った伴侶を失うかもしれない…その後の人生が大きく変わる離婚の危機に、「何とかしなければ!」と焦る心が口を突いて出る…しかし、とっさに出たその言葉が夫婦間の溝をより深めてしまうかも知れません。
特に、離婚を踏みとどまって欲しい一心で口にしがちな「ごめんなさい」は、取り扱いひとつでさらなる危機を招いてしまうことも…。
本来「ごめんなさい」は「私が悪かったのでどうか許してください」という意思表示の言葉であり、だからこそ人間関係を円滑に取り持つ大事な言葉のはず。
それなのに、離婚危機という局面では夫婦間により大きな亀裂を入れかねないというのは、一体どうしてなのでしょう?
・相手が求める「ごめんなさい」とは
例えばその場の勢いで「ごめんなさい」を口にすしたとして、おそらくその心に嘘偽りは無いのでしょう。
今こうして離婚を考えるのにはそれ程のことを自分がしたのだろう、自分が悪かったのなら謝るからどうか許して欲しい…そういった思いが「ごめんなさい」という言葉の形で出てきたのですから。
しかし、その「ごめんなさい」には相手が求めているものが含まれていません。
離婚を考える程の伴侶が求めているのは、「自分の何が悪かったか」「そのせいで相手にどういう思いをさせたか」「今後どういう反省をして行動するか」といった、明確なビジョンに基づいた上での謝罪である「ごめんなさい」なのです。
・安易な「ごめんなさい」が伝えるもの
離婚を免れるために相手に許してもらいたい、というのはその状況の心理としてごく当たり前のものです。
一方で、相手の立場になって考えてみましょう。
自分が何か理由で相手に対して怒りを抱えているときに、「理由がよく分からないから今後も態度を改める気はないけれど、私が困るから許してこれからも一緒に生活してください」と言われたらどう思いますか?
「何て自分勝手な!」と思いませんか?
しかし、勢いだけで繰り返される「ごめんなさい」は、実際にはこれと同程度の意味を含んで相手に伝わっているのです。
離婚を考えるということは、現状では結婚生活が維持できない何かしらの問題があるというこから考えるということ。
理由の理解も改善する気もない…そう思われてしまうと、離婚へまた一歩近づいてしまうのです。
・相手を癒すための「ごめんなさい」を
では、離婚危機に直面したときにどのような「ごめんなさい」をするべきなのでしょう?
離婚されるかも、思い留まって欲しい…その思いは一度ぐっと飲み込んで、まずはなぜ今離婚危機に直面しているかを改めて見つめ直しましょう。
ただ一言の「ごめんなさい」ではなく、「自分のこういうところが悪かった、嫌な思いをさせてごめんなさい」という言葉ならば、相手も自身を癒す言葉として受け入れやすくなります。
もちろんこれは日常の人間関係においても大事なことなのですが、一度は生活を共にした関係を解消しようとする程の状況においては特に必要とされる表現です。
もう一度生活を共にできるだけの信頼が感じられる言葉と行動を、相手は求めているのですから。
【プロ心理カウンセラーの離婚を回避する方法】