・「距離をおきましょう」の意図
離婚の危機に直面したとき、夫婦間で時に提案される「別居」。
離婚を阻止したい側からすると別居の提案というのはとても不安になるものです。
距離を置いたら話し合いがしにくくなるのでは?
もしかしてこのまま顔も合わせず離婚になってしまうのでは?
そういった思いからつい相手を引き止めてしまいがちですが、別居=そのまま離婚ではありませんし、別居はうまく行えば夫婦関係を修正することも可能です。
そもそも相手が別居を提案する時、相手は何を思ってそれを提案しているのでしょう?
大体の場合、離婚危機における別居というのは、冷静になって考えをまとめた上で話し合いを落ち着いてするための準備期間として提案されているのです。
・離れて考えることの意味
相手は離婚を考えているが自分は離婚したくない…この状況はつまり夫婦間で意見の相違が発生しているということです。
違う意見を持つ者同士で勢いのまま話し合いを
進めると感情的になりやすく、建設的なやり取りのないままにお互い不信感だけが高まってしまうことも…。
それが分かっていても同じ空間で生活を共にしていると、すでに入ってしまっている夫婦間の亀裂からささいなことで口論が始まってしまったり、きちんとした準備時間が取れないものです。
そういう時に別居という選択肢は、物理的に夫婦離れて考えることで話し合いに向けて考えをまとめやすく、いたずらに不信感のみを高めることもない安全策といえるのです。
・別居を提案されたらどうする?
とはいえ相手から突然別居を提案されたら、誰でも心中穏やかではいられないもの。
動揺のあまり思わず心にもないことを口走ってしまいそうですが、まずは心を落ち着けてから返答しましょう。
これまで述べた通り、別居は必ずしも離婚への流れを加速させるものではありません。
ただ、離婚を阻止したいのであればふたつ返事で受け入れるのも問題です。
その場合、あくまで受け入れた別居は「ふたりで冷静に話し合うための準備」であり、その後話し合いの場を設けて欲しいという希望を相手に伝えるべきでしょう。
それは同時に「私は別居期間中に私の悪いところを改める準備をする」というメッセージにもなります。
・自立した別居生活を送ろう
別居期間中に密かに大事なのが、きちんと自立した生活を送ることです。
離れて暮らす間にお互いのことや自身のことを振り返って考えるのはもちろん必要なのですが、それを理由に家事をおろそかにすることは良くありません。
普段家事に取り組んでいるかどうかは別として、相手がいなければ家がうまく回らないような状態では、つまり自分は夫婦関係の中で頼りにならないと声高に宣言しているようなもの。
離婚を考えている相手にこれ以上の悪印象を与えるのは得策ではありません。
別居を受け入れることで相手の意見を尊重し、距離を置いて冷静に話し合う準備を整え、きちんと自立して生きることができるという実績を持って話し合いの場に臨む…それが離婚を阻止するための良い別居といえます。
【プロ心理カウンセラーの離婚を回避する方法】