・問われているのは過去
夫婦が離婚に至る原因がただひとつの出来事である、ということはほとんどありません。
離婚話が持ち上がったきっかけはもちろんあるでしょう。
しかし、そのきっかけが問題の全てでそれのみを解決すれば良いという考えは、離婚を防ぎたい場合には危険です。
相手はこれまで共に夫婦として過ごしてきた時間の中で、不満を溜め込んできて限界を感じたからこそ離婚を提案してくるのです。
相手にとって今まで何が不満だったのか、今までどんなことに傷ついていたのか…「自分は悪くない」という思いは一度横に置き、改めて考えてみましょう。
相手が悲しい顔をしたり黙り込んだりしたことはありませんか?
呆れた顔で「もういいよ」という言葉をかけられたことはありませんか?
それは離婚回避のために見逃してはいけない重要なヒントです。
・「諦める」が最後にたどり着く離婚
夫婦ゲンカをして謝らずにいたけれど何となく元通り話すようになってうやむやに、というようなことは良く聞く話です。
しかし、表面上では解決をみたようなこの状況において、お互いの内心が解決しているかどうかというのは全く別の問題で、むしろそれは不信感として積み上げられていくことも。
謝って欲しい、話を聞いて欲しい、意思を尊重して欲しい…そういった希望がかなわず、それでも日常生活を円滑に過ごすためにはケンカを続ける訳にもいかない時に、人はしばしば「諦める」という選択肢を取ります。
自分の心の不満を押し殺して「諦める」を繰り返し、それにどうにも耐えきれなくなって最後に諦めるものが「結婚生活」であり、それはつまり離婚なのです。
・あの時許してくれたのに何故今更?
過去をひとつひとつ思い返す中で、こう思うことはありませんか?
「もう過ぎたことを掘り返して責めるなんて」
「あのとき謝って許してくれたのに」
「じゃあその場で不満を教えてくれれば良かった」
それもまた間違った考えではないのですが、離婚を避けたいのであれば重要なのはそこではないのです。
そうやって限界まで「諦める」を選び続けても、相手は結婚生活を守りたかったのだということこそが、重要なのです。
「私が我慢すれば生活が守れる」と、怒りも悲しみも飲み込んで耐えてきた相手の努力をまず認める気持ちを持ちましょう。
そうすると、相手に対して感じる怒りや不満が変わってくるはずです。
・もう一度信じてもらうには
「諦める」ことに疲れた相手に離婚を思い留まってもらうには、「諦める」ことを選ばなくていい結婚生活を相手に用意する決意と、その決意を信じてもらうことが必要です。
しかし、過去の事実の積み重ねから離婚を選ぼうとしている相手にとって、まだ見えない未来を信じることはとても難しいことです。
そういった状況での話し合いでは「過去は終わったもの」という態度ではなく、
「あの時はこういう思いをさせてごめんなさい」
「あの時許してくれてありがとう」
「これからはこういう風に気をつける」
といったように、過去「諦める」ことで飲み込んできた感情を労い、今後同じ思いをさせないようにするという明確なビジョンの提示が求められます。
【プロ心理カウンセラーの離婚を回避する方法】