・「自分は悪くない」を捨てよう
夫婦として連れ添ってきた相手に「離婚したい」と告げられたとき、驚きの後に悲しみと共に怒りを感じる人はけっこういるのではないでしょうか。
それは、離婚の意思の言外で今までの結婚生活を責められているように感じるからでしょう。
「自分は何もしていない、悪くない」
「自分が悪くないのに離婚を迫る相手が悪い」
といった思考に陥ってしまうと、この先何度かあるであろう離婚回避の話し合いに悪影響を及ぼしてしまいます。
まず「自分は悪くない」という考えは横に置きましょう。
それと同時に、「相手が悪い」という考えも一緒に横に置きます。
夫婦間に離婚話が持ち上がった経緯はともかくとして、どちらか一方だけが完全に悪いという考え方は話し合いのパワーバランスを崩してしまうものだからです。
・悪意がなければ許される?
愛し合い、誓い合って結婚した二人であっても、元々は別々の土地で生まれ育って個人の考えを持つ他人同士です。
趣味嗜好から物事の考え方に至るまで、全てが二人同じであるということはありません。
その中で、自分にとって何でもない一言が相手を傷付けたりすることもあるし、その逆もまたあり得るのです。
それ自体はある程度仕方のないことです。
問題はそういうことがあった時に「それは仕方のないことだから自分は悪くない」と、相手を傷付けた事実を切り捨てるかどうか。
悪意がなければ相手に不快な思いをさせても無条件で許されるのか?
その一点が夫婦関係を継続するにあたっての問題点となるのです。
・積み重ねられたすれ違いを認識する
趣味や味覚の違いから生活習慣、人生の考え方に至るまで、人が持つ価値観はそれぞれです。
各々の価値観を持ち込んでのスタートとなる結婚生活は、例え表面上大きな問題が起きてないとしても、どこかの部分ではお互いの価値観を何となく譲り合い調整することでうまく回っているということ。
それはつまり、お互い我慢したり傷付いたりしている部分が必ずあるということです。
そして、それは「どちらかが悪い」という原因論だけでは語ることができません。
どちらも特に悪い訳ではないけれど、長い時間を共に過ごす結婚生活の中ではそういう負のすれ違いも少なからず蓄積されるものだということです。
そこから目を逸らしてしまうと、離婚回避の道のりは難しいものになってしまいます。
・相手が感じたことを事実として
自分自身に相手を不快にさせようという悪意がなかったとしても、何らかの言動で相手が不快な思いを抱いたのであれば、それは動かしようのない事実です。
それを相手の受け取り方のせいにして「自分は悪くない」と無視せず、まずは相手の心をいたわることを考えましょう。
過去、何となくやり過ごしてしまったケンカの記憶はありませんか?
冗談のつもりの一言で相手の顔を曇らせてしまったことはありませんか?
相手との話し合いの場ではどちらが悪いと責め合うのではなく、今までの生活の中で見落としてきた価値観のすれ違いを見改めるところからまず始めてみましょう。
【プロ心理カウンセラーの離婚を回避する方法】