・「こんなに頑張ったのに」の危なさ
夫婦が離婚を迎える原因のひとつに「過去あったことがどうしても許せなかった」ということがあります。
起こしてしまった過ちに対し謝罪をして話し合いを経て反省し、許してもらうことで終わった過去として解決を見ているはずなのに、時に持ち出されるこの理由。
これを突きつけられる側は複雑です。
「確かに事実ではあるけれど終わったことなのに」
「ずっと反省して頑張ってきたのに」
「結局ずっと許してもらえないということ?」
など、離婚話に動揺するとともに内心モヤモヤしてしまうのは仕方のないことだと思います。
しかし、その思いを相手にそのままぶつけても離婚を避けることはできません。
「こんなに頑張ったのに」という不満が相手に伝わるほどに、相手の「許せない」という気持ちも膨らんでしまうのです。
・許されるための努力は望んでいない
そもそも、過去の過ちに対しての謝罪と反省は何のために行われたものなのでしょう?
相手が求めているのは、信頼を裏切られた自身の心を癒してくれる努力です。
人生を共に歩む伴侶として信頼して協力し合うことができるよう、過ちを許して再び信じるために必要な心を取り戻すことを、相手は望んでいるのです。
そう望む人にとって「自分を許してもらうため」の謝罪と反省というのは、どこか受け入れがたいもの。
そして表面上は同じようでも、その謝罪と反省が誰のためのものなのかはその後の言動に滲み出るもので、それを感じ取るからこそ相手は過去として終わらせることができず、根深い傷として抱えてしまうのです。
・相手の心に寄り添うことを優先に
相手が離婚の理由に過去を持ち出すのは、つまりはその過去で傷付いた心がまだ癒えていないということです。
そんな状態の相手に許しを求めるのは、相手の心の傷にいたずらに触れてしまうだけでよい結果を生みません。
まずは過去の過ちを終わったものとせず、いま一度改めての謝罪と、相手の心に寄り添った思いを表現しましょう。
その上で、相手が過去を許してくれるかどうかはあくまで相手の心が決めることです。
それでも自分の保身のためではなく相手の心を癒すための努力は必ず相手に伝わり、最終的にはよい結果を生むはずです。
・謝罪のさいに気をつけるべきことは?
自分にとって「終わったこと」になっていた過去について改めて謝罪するというのは難しいものです。
このとき気をつけたいのが、謝罪の内容です。
相手は過去に傷付いた心を立て直すことができず引きずったまま現在を迎えています。
そんな相手が欲しい謝罪は、
「こういうことをしてごめんなさい」
と共にもうひとつ、
「心を長い間傷つけてごめんなさい」
ということです。
相手は過去、あなたを許そうとして内心では許巣ことができず、葛藤して苦しんできた期間があっての離婚を提案しているのです。
その苦しみに対しての謝罪が、相手の心に寄り添うなによりの一言であることを知っておきましょう。
過去を乗り越えるには時間がかかるかもしれませんが、真摯に相手を労ることできっと相手の考えが変わってくることでしょう。
【プロ心理カウンセラーの離婚を回避する方法】