・言葉の意味は表面だけではない
「もういいよ」
「好きにすれば」
「わかったから」
これらは一見すると全て許容の言葉です。
しかし夫婦間の会話においては、この言葉を使う側というのは大体にして穏やかではない内心を抱えています。
そして、この言葉を繰り返して相手に言わせるということは、少しずつ離婚への道を踏み固めているようなもの。
これらの言葉の裏には、
「どうせ私の意見は聞いてくれない」
「私のことはどうでもいいんでしょう」
という意味が含まれています。
本当は納得していないけれど、問答を繰り返しても自分の意見は取り入れてもらえないので諦めよう…そういった心の動きの末に出る返事が、先の言葉なのです。
そのストレスは少しずつ蓄積し、いつか爆発を招く危険をはらんでいます。
・危険な返事、言わせていませんか?
夫婦といえども、元は別々の家に生まれ育った他人です。
どんなに仲が良くても趣味嗜好が似ていても、意見がかみ合わないことも出てきます。
もしも離婚の危機に陥ったら、まず考えてみましょう。
ここ数年の夫婦の会話で、「もういいよ」「好きにすれば」「わかったから」等の返事をお互いどれくらいしていますか?
相手に一方的にこのような返事をさせていませんか?
この返事をもらった側は、
「説得の末に最終的に許容された」
と受け取ることができますが、返事をした側は、
「これ以上話し合っても無駄だから諦めよう」
という結論から返事をしているのです。
これはつまり、自分を理解し尊重してもらえないという不満を相手の中に生ませているということです。
・積もる不満が離婚を呼ぶ
元は他人同士である以上、意見がかみ合わずどちらかが妥協する場面というものは結婚生活の中でどうしても出てきます。
しかし、その妥協を相手にばかり押し付けることは相手の存在を否定するのと同義です。
例えそんなつもりがなかったとしても、「私の存在は何を提案しても許される価値のないものなんだ」とゆるやかに相手に思わせてしまうこの行為は、表面上わかりやすい問題が出ないことこそが問題です。
相手が離婚を口にする頃には、相手の心には「もう限界だ、耐えられない」と思ってしまうほどに不満が積もってしまっているのです。
・言葉ではなく実行で表現を
こういった状況に陥った場合の離婚の回避に必要なのは、相手の存在を認める言葉以上に、相手の意思を尊重した実際の行動です。
「そんなつもりはなかった」「愛している」という言葉はこの段階においてはあまり役に立ちません。
むしろ相手は今まで過去にもらったそれらの言葉を頼りに今までを耐えてきたのです。
とはいえ「相手の意思を尊重するべき」というのは、離婚を望む相手の意思にそのまま応じろということではありません。
まずは「どんな結婚生活でありたかったのか」を話し合う場を持ちましょう。
その中には身に覚えがないことも耳痛いことも含まれるかも知れませんが、「相手の思いを否定せず受け止める」ことが相手の意思を尊重する第一歩です。
これまでの不満を受け止め、お互いの妥協のバランスを取ることによって、壊れた夫婦関係改善の希望が見えてきます。
【プロ心理カウンセラーの離婚を回避する方法】